ISO9001認証取得レポート
2003年にISO9000シリーズの認証取得を受けました。
ここではその経緯と理由を述べたいと思います。
当時、他の業界ではある程度、定着しつつあった品質管理システムですが物流業界では必須ともいえず、切迫した印象はなかったように記憶しています。
その頃の当社は設立40年を経過し、会社の規模自体も随分大きくなっていました。
しかし、管理の手法は家族的な商店経営で、トップダウンやボトムアップと言った会社運営の流れも仕組みとして機能しておらず、すべてが社員と管理者の1対1のマネージメントで良くも悪くもあらゆる問題と解決の手段が点在しているような状態でした。
会社を牽引し、出来るだけ長い期間にわたって経営を継続したいと考えていた私には限界を感じていたのかもしれません。
第三者の力を借りるにしても経営コンサルタントではない「何か」を探していた時に出会ったのがISOでした。
そこで何度か勉強会に参加してはみたものの、認証取得を推進するというよりは、その前段で参加各社をふるいにかけるというような印象や、取得にかかる費用と事務作業のあまりの膨大さに、断念せざるを得ないとの思いを強めていました。
ところが同時期、経済は成熟期に入り、業界の経済的発展というよりは事業者自体の「安全管理」「衛生管理」「環境対策」といった内的充実に潮目が変わりつつあり、おりしも同業者有志にて立ち上げた事業協同組合からISO合同取得の提案があり、即座に応募することとなりました。
主だった理由としては
- 社内のマネージメントをルール化し、方向性を持たせる
- それぞれの仕事及び責任の明確化を図る
- お客さまからの良いレスポンスやクレームの問題解決を計りながら業務品質を向上させる
- 当社の輸送品質のみならず、物流業界をリードし、この業界の社会的地位を向上させる
等がありました。
取得にはそれなりの費用と労力と時間が必要でした。さらに仕事自体をパッケージと考え、責任を明確化しルールを作るには、様々な関係者各位の協力が不可欠であったことはいうまでもありません。
そして結果的には現在、上記の取得理由をほぼ満足させるに至ったと考えています。
- 会社のマネージメントに時間のサイクルができ、問題点の抽出、提案、解決が最長で1ヶ月以内に行われる
- 会社全体が会議の運営に慣れ、情報の共有が可能になった
- あらゆる情報の水平展開が可能になった
- 社員の誰もが回答可能になり社外からの信頼を得ている
- 会社の業務や利害関係者からの意見、及び社会からの要請事項をタイムリーに吸い上げ、対策を社内全体で考える事が可能になり、風通しがよくなった
等々の効果が見られます。
ISOの認証取得を目的とするならば現時点で達成となりますが、品質管理とその向上は、日々の繰り返しと現実に起きている事とをどのように折り合いをつけていくかだと思っています。
その意味では常に道半ばではありますが、更なる継続的改善によって、物流にまつわる文化、環境、技術の発展に寄与したいと考えています。
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